鳥の鳴き声が聞こえると言われた
午後、昼休み明けの仕事が始まった。
みんなやる気に満ち溢れている。そんな中、戦う者がいた。しゃっくりと。
フロア中に響き渡るしゃっくりの音。それはまるでジャングルにいる鳥のような音だった。
近くの人は笑い、遠くの人はわざわざ遠方の席からおいでになるほど、大きく奇妙な音。一般的な引き笑いの10倍の音が出ていた。大声選手権優勝ぐらいのデカさがあった。
そして、30分も止まらず、100回はとうに超えた。もう死ぬのか、しゃっくりで死ぬのやだなと思い始めたとき、事務の人から薄ら笑いで「これどうぞ」と飴をもらった。
いまさらこれが効くのかと思ったが、なめたら治った。なめたらあかんって言っていたもんな。
出終わったあと、胸が痛かった。優しくされたのもあるし、しゃっくりが出過ぎたのもある。