プレイボーイの悲劇
毎朝、満員電車で通勤をしている。パンだったら完全につぶれているぐらい今日もパンパンだ。
今日も満員電車を乗り継いで会社の最寄り駅から会社へ向かう。「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」と思いながら、道の途中で同じ会社の人に会った。
そこでこの日を左右する衝撃的なできごとがあった。
「ワイシャツに口紅ついてますよ」と。
背中についていた。なんかついているなじゃなくて口の紅だとわかる形。多分、満員電車で着いてしまったのだろう。
会社に着くなり、給湯室に駆け込み、そこにあった食器洗い洗剤で洗うも全然落ちない。
こんなにドキドキしながら仕事をすることもない。見られないように深く椅子に座ったりしながら1日なんとかバレないように過ごす。
誰からも言われないで夕方になるが、必死になって隠すよりも逆に言われた方がいいかなと思い、「背中に口紅ついちゃったんですよ」と会社の人に伝えると「おっ!プレイボーイだね!」と言われる。
プレイボーイと言われたことがないが、こんなにも恥ずかしいものなのか。
仕事が終わり、すぐに家に帰って洗剤をかけた。プレイボーイという言葉が頭から離れないが、これも酵素の力でなんとか落としてほしい。
キレイキレイでもキレイにならなかった。