鮭粥のおにいさん

あれはコンビニでお昼ご飯を買っていたときである。

 

自分の順番になり、レジでお会計をしているときに「こちら温めますか?」と聞かれた。「はい、お願いします」と答え、店内で待つ。

 

5分ぐらい経過したが温めがまだ終わらない。待っている間、デイリーの記事を読んでいた。(たしかにじゃがりこうるさいもんなー)と思いながら記事を読んでいた。

 

集中して読んでいたのか、レンジの温め終わりの音を聞こえず、いまだにスマホに目線を落としていたとき、「鮭粥のお兄さん!」と大きな声が店内に響く。

 

鮭粥は私なのだが、すごく恥ずかしくなった。新しいあだ名をつけられた気分である。よくコンビニで同じ商品を買うと店員に陰で「ツナマヨさん」みたいなあだ名を呼ばれるのという話を思い出した。

 

ただ、別の恥ずかしさもある。「あいつ、あんなに太っているのに鮭粥を食べるのか」という自意識過剰な店内にいるお客さんの視線。お粥、10杯食わないとお腹いっぱいにならないと思われていたかもしれない。

 

語感の恥ずかしさもある。そんなお兄さんいない。

 

ひとつだけ言いたいのは、正式名称は「あごだしが決め手!鮭のお粥」である。「あごだし」に魅力を感じて買ったので、どっちかと言えばあごだしメインで呼んでほしかった。